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スタートアップ企業のBtoBマーケティング戦略の立て方 基本3ステップで紹介

投稿日:はじめてのオウンドメディア

スタートアップ企業のBtoBマーケティング戦略の立て方

BtoBスタートアップ企業で新規顧客を獲得したい時に考えるのがマーケティングです。
しかし、特にリソースの少ないスタートアップでは、マーケティング戦略をきちんと立ててから行わないと効果が出にくくなります。

今回は、スタートアップ企業のBtoBマーケティング戦略の立て方をご紹介します。


こんにちは。BlueAgeです。

スタートアップのBtoB事業者向けにコンテンツマーケティングを主軸としたマーケティングコンサルティングを行っています。
スタートアップでは予算もかけられず、マーケティングを進めていくのが難しいと思われるかもしれません。しかし、適切な方法を選択すればコストをかけずに新規顧客を獲得するマーケティングが可能です。

この記事ではスタートアップ向けのマーケティングの進め方をご紹介していきます。

マーケティング戦略とマーケティング戦術

マーケティング戦略について語る前に、マーケティング活動の全体像を示します。

マーケティング活動は、マーケティング戦略とマーケティング戦術に分けられます。

マーケティング戦略部分で上流の方針を固め、その方針に従って具体的なマーケティング活動を行うのがマーケティング戦術です。

この記事ではマーケティング戦略について説明します。

スタートアップにおけるマーケティング戦略の重要性

スタートアップは、限られた人員や予算で事業を急成長させなければならないという特徴があります。多くの場合、営業や代表者の人脈に頼って最初の顧客を獲得しますが、それだけでは事業が一定の規模に達した段階で頭打ちになってしまいます。ここで必要になるのが、再現性のある仕組みとしての「マーケティング戦略」です。

1. リソースを最も効果的に使うため

スタートアップには、大企業のように潤沢な広告予算も、専門部署もありません。そのため「どのターゲットに、どのチャネルで、どんなメッセージを届けるか」を明確にしなければ、あっという間にコストだけが膨らんでしまいます。

手軽に始められるGoogle広告に出稿してみたところ、Webサイトの閲覧数は一時的に上がったが、受注にはつながらなかった、という経験をした方は多いのではないでしょうか。
戦略を立てることで、限られた資源を効果的なマーケティング施策に集中投下できるようになります。

2. 顧客獲得の仕組みを作るため

営業だけに頼ると、属人的で不安定な集客になりがちです。

マーケティング戦略があれば、認知からリード獲得、そして商談化までの流れを「仕組み」として設計できます。
これにより、誰が担当しても同じように成果が積み上がりやすくなります。

3. 長期的な成長の土台になるため

スタートアップにとって重要なのは「短期的な売上」と同時に「中長期的な成長」を両立させることです。戦略を持つことで、今すぐのリード獲得と将来のブランド構築を並行して進められ、成長スピードを維持できます。

スタートアップがマーケティング戦略を立てる際の3ステップ

では、マーケティング戦略を立案するための3つの基本ステップを紹介していきましょう。

1. 環境分析:現状と市場を把握する

マーケティング戦略の出発点は、自社と市場を正しく理解することです。
以下の手法を使ってまずは自社ビジネスの置かれている環境を分析しましょう。

外部環境分析

外部環境部関ではPEST分析の手法が効果的です。
PEST分析は外部環境を以下の4つの側面で洗い出す手法です。

  • 政治(Political):法律の改定、政府の動向
  • 経済(Economic):景気動向、市場変化、業界動向
  • 社会(Social):人口動態変化、消費者意識、ライフスタイル
  • 技術(Technological):新技術、新手法

外部環境の変化を列挙し、その変化が自社にとって機会になるのか、脅威になるのかを整理しましょう。

注意していただきたいのは外部環境分析は自社ではなく、自社が置かれたビジネス環境に関する分析です。そのため、自社内部のリソースや強みに関してはここでは分析対象としません。

内部環境分析

内部環境分析にはVRIO分析が利用できます。
VRIO分析は以下の4つの側面で自社に強みを洗い出す手法です。

  • 経済価値:お客様にとって価値がある強みであるか。(高:価値が高い、低:価値が低い)
  • 希少性:他社にない強みであるか。(高:他社にない、低:他社も持っている)
  • 模倣困難性:他社が真似できない強みであるか。(高:真似できない、低:真似しやすい)
  • 組織:強みを組織で生かせているか。(高:組織で生かせており再現性が高い、低:個人に依存したり一過性のものであり再現性が低い)

洗い出した強みに、上記の4つの側面から高い、低いの評価を行って自社の強みを明確化します。
一方で、自社の弱みも洗い出します。

ここでも注意してほしいのが外部要因をこの分析に入れないことです。
内部環境分析は自社内部の分析ですので市場が追い風であるなどといった外部要因は入れないようにしましょう。

SWOT分析

外部環境分析と内部環境分析ができたら、それを組み合わせてSWOT分析を行います。
外部環境分析の結果を機会と脅威に、内部環境分析の結果を強みと弱みに分解し、それぞれを掛け合わせて戦略を構築します。

強み×機会:【積極化戦略】 強みを活かし、機会を攻略する戦略を考える
強み×脅威:【差別化戦略】 強みを活かし、脅威を乗り越える戦略を考える
弱み×機会:【弱点強化戦略】 弱みを克服し、機会を攻略する戦略を考える
弱み×脅威:【リスク最適化戦略】 弱みと脅威が組み合わさり、最悪の結果を防ぐために避けるべきことを検討する

2. STP

次に行うのがSTPです。
STPとはセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの頭文字をとったもので、この3つのプロセスを経て自社のマーケティング戦略を明確化させます。

STP

セグメンテーション

セグメンテーションとは、市場を細分化することです。
自社のサービスは誰にでも売れる、市場は無限大だ、と考える人は多いですが、それは自社サービスが最も価値を届けられるターゲットを明確化できていないとも言えます。

セグメンテーションでは市場をいくつかの条件で区切っていきます。
例えば、BtoBスタートアップでは以下のような基準で市場を細分化します。

企業規模(社員数、売上高、資本金など)
業種(製造業、小売業、サービス業など)
地域
既に利用中のサービス

ターゲティング

ターゲティングでは、セグメンテーションで細分化した市場の中で、自社が狙うべき市場を明確化します。
セグメンテーションで市場が適切に分けられていればこのプロセスは比較的簡単ですが、注意すべき点はターゲット市場の大きさです。

ターゲットの抽出が大まかすぎると市場規模は大きいのですが他社と差別化できず、市場内で自社が勝っていくことが難しくなります。

一方で、ターゲットを狭く絞りすぎると、ビジネスとして成立するだけの顧客企業数が無いという状態も発生します。

こういった事態を防ぐために、セグメンテーションで絞った市場にどの程度のターゲット企業数があるのか、1社あたりの購買力がどの程度なのかを試算し、市場規模を加味しつつターゲットを選定します。

ポジショニング

続いてポジショニングです。
ポジショニングは市場において競合とどのように差別化するかという戦略です。

ポジショニングでは、顧客が感じる価値の軸で自社と競合をマッピングしていきます。

ポジショニング

この、縦と横に何の軸を置くかがポイントです。
これまでに情報を収集してきた外部環境分析や内部環境分析の結果を基に、顧客にとってどのように自社を識別可能かを整理しましょう。

ここで注意していただきたいのは、軸を置く際に明らかに片方が顧客から見て優位になるような設定をしないことです。

例えば上記の例では横軸に「定価格」と「高品質」を置いています。
これを「低価格」と「高価格」にしてしまうと、顧客の感じる価値としては明らかに「低価格」が優位で、「高価格」は魅力を感じません。この場合、「低価格」の企業が優れており、「高価格」の企業が劣っているように見えてしまいます。

そうではなく「高価格」であるということは、その価格でも購入するだけの価値を顧客に提供していると考え、その顧客が感じている価値は何か、という観点でこの軸を設定してください。

ポジショニングは企業の優劣をつけるものではなく、顧客が体感する価値軸で企業を整理し、差別化点を明確化するためのものだと意識してください。

3. 戦略整理

ここまでの分析結果から、最終的な戦略を整理します。
スタートアップ企業のマーケティング戦略は以下の3軸で示すとよいでしょう。

マーケティング戦略

標的顧客:誰に(WHO)

自社が最も価値を提供できる顧客を明確化します。
ここがぼんやりすると差別化点が際立たず、戦略性が薄れますので具体化しましょう。

顧客ニーズ:何を(WHAT)

顧客にどのような価値を提供するかです。
ここで言っている価値とは、最終的な製品やサービスではなく、それを顧客が利用することでどのような効果を顧客が体感できるか、ということですので注意してください。

例えばソフトウェア製品であれば業務の効率化や生産性の向上、コンサルティングサービスであれば売上や利益の向上などです。

独自能力:どのように(HOW)

顧客に提供する価値をどのように実現するかです。
この実現方法の中に、自社独自の強み、差別化点を盛り込みます。

単に〇〇を作る、〇〇を実行する、ではなくそのプロセスでの独自性を磨きこんで表現しましょう。

上記のようにWHO/WHAT/HOWを整理することで、自社のマーケティング戦略を具体化できます。

以上、スタートアップ企業のBtoBマーケティング戦略の立て方をご紹介しました。


スタートアップ企業でも効果的なマーケティングを実施できれば新規顧客を継続的に獲得できます。
しかし、自自分一人では始められない、なかなか続かないという課題をお持ちの方も多いでしょう。

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